どうもにゃ☆ ねこさんにゃ~♪
既にうーさんがシャロの話をしてるので、私からは先住猫も含めた話をしようかと。
ついでに先住猫の経緯も含めてお話しようかと。
ねこさんを信頼しきってる気難しい性格の「リュー」
生後2ヶ月のリューを引き取った時、私は学生&一人暮らしだった。
兄猫と一緒にうろついているところを保護された妹猫であるリューは、自分の手の甲で指しゃぶりをしているほどの甘えん坊。
……といえば、聞こえはいいか。
実際にはおそらく、早々に母猫とはぐれてしまい「猫」としての教育をされることなく過ごした猫で、兄猫とのじゃれ合いも少なく「愛情」とか「安心」からは縁遠い猫だったのかな、と思う。
幸い、保護されたお宅では比較的自由に過ごしていたらしく、初日から人間の食べ物にめちゃくちゃ興味津々。
リューと過ごす初めての夜に、私の背中をよじ登って肩からミートソーススパゲッティの中に飛び込み、そのまま部屋の中を駆け回ったことは、10年以上経った今でも鮮明に覚えてる。
そんな感じで、リューは「猫」として育ったというより「人間」として育った猫だ。
私は猫であっても、あくまでも「同居人」というスタンスで接する。
甘噛みの加減が分からないため私が噛んで教えたし、私が食事をするときにリューも一緒に食事をした。
私と同等…… 私のパートナー……
そんな育てられ方をしたからか、私の反応を見ることで「人間」に対する態度を変えるようになっていた。
私が心を許している友人を家に招くとすごくすり寄るのに対し、お付き合いで招いた友人には見向きもしない……
そんな人間らしい、賢い猫に育った。
だからこそ、人一倍嫉妬心が強く、なかなかに気難しい。
拗ねてるのに拗ねてないフリをするし、機嫌を直すまで遠くから私を見つめてくる。
追いかけ回して追いかけ回して、ようやく捕まえると喉を鳴らす……
そんな、すっごく気難しい猫。
足の骨を折った経験のある犬っぽい「サン」
ねこさんといぬさんが結婚してすぐの頃、近所に野良猫がいたので保護したらお隣の家の飼い猫だった。
……なんて事件がありまして、ケージもトイレも何もかもを追加購入してしまった……ので、いっその事、保護猫譲渡会に行ってみることにした。
そこで出会ったのが「サン」
熊本大震災の被災猫として保護されたようだが、どうやら後ろ左足を骨折しており、手術をしたことのある猫だった。
そのため、悪化するようだったら断脚も視野にいれる必要がある、と言われた猫だったのだが、ねこさんといぬさんは承知の上で迎え入れることに決めた。
気難しいリューには、追いかけ回すことのないおとなしい猫が合うだろう。足が痛いのであれば、少なくとも追いかけ回すことはないだろう。
……って思ったのに、リューを追いかけ回しまくってるサン。なんなんだ。
猫らしくなく、マナーを何一つ知らないサンは、後に引っ越した実家の猫たち(全員メス)からも嫌われる……
目をじっと合わせてきたり、嬉しそうに人間に頻繁にずりずり……頭突きしてくる様子を見ていると、きっと熊本では犬と一緒に育てられたんだろう、と思わざるをえない。
個性的な猫たちの中にやってきた「シャロ」
ようやく本編。
保護主さんの家に遊びにきていた野良のメス猫が、子を身ごもったことはわかっていたものの、夏の終わりの出産後も子猫を一切見せることがなかった&探しても見つからない状態だったとのこと。
しかし、秋になり子猫である兄猫と妹猫を連れた母猫が庭を横切ったので、そのまま子猫を捕獲&保護したらしい。
庭先のケージに入れて育てていたらしいが、寒さのせいで猫風邪を引いたり……
治療のために通院したり、寒さを凌ぐために室内にケージを移動したりなど、いろいろ手をかけていたとのこと。
そして1月の中頃に、ねこさんうーさん家に譲渡の話を動物病院経由で貰って、無事にシャロを我が家に招き入れた。
すぐにわかったシャロの問題点
大きな問題点は、2つほど。
- 脚力が弱すぎる
- 慢性的な愛情不足
問題点①:脚力が弱すぎる
ケージの中の段差を移動する際に、前足を引っ掛けてよじ登っていたシャロ。
ケージの外へ解放しても、普通ならばジャンプをするはずのところをそうはせず、すべて前足を引っ掛けてよじ登っていた。
なにか変だな?と思いつつも、それがシャロの癖なのかもしれないと見守っていたのだが……
2日目は少しジャンプをするようになっていた。
しかし、うまく登り切ることはできず、時には頭をぶつけ、時にはかろうじて前足が引っかかったためよじ登り…… と、なんとも猫らしくない苦戦の仕方をしていた。
3日目からはそんな苦戦の数もだいぶ減り、今は元気にポンポン飛び回っている。
たぶん、だけど……
大体生後2ヶ月の頃からケージの中で過ごしていたシャロは、子どものうちに育つべき後ろ足の筋肉が育たなかったんじゃないかと思っている。
険しい冬を乗り越えるために、保護の活動が必要だったことは否定しない。
が、シャロの後ろ足の脚力を育てることに関しては、ケージは相当に弊害となってしまったんじゃないかと思っている。
実際、私がシャロを触ったときに、前足側の筋肉量に対して、後ろ足……特に腰辺りの筋肉の少なさに首を傾げていた。
「細い」というより「華奢」「薄い」といった感想を抱いた。
その正体は、後ろ足の筋肉不足だったのだな、と今ならば分かる。
だからこそ、今からでも遅くはない。
ケージから出して、思う存分家の中を走り回って筋肉をつけてほしいと思う。
問題点②:慢性的な愛情不足
「猫」というのは、人間とともに生きるように進化した動物らしい。
だからこそ、比較的早く人間と打ち解ける、と思ってる。少なくとも私は。
まぁ、断言してしまうと否定の声が多くなりそうだが、人間との距離の取り方を決めるのは早いし、比較的他の動物よりは距離が短めに決定されるように私は思う。
特に、餌をくれる人には「媚を売っている」とも見えなくないほどに、すぐにデレデレするように思う。
それが、シャロはなかった。
「人懐っこい」「ナデナデが大好き」と言われていたようだが、実際にシャロを目の前にすると違和感を覚えた。
確かにご飯をあげる時にはゴロゴロいうし、頭を撫でるとグデングデンになる。
けど、それらを辞めると、そこに人間なんていないかのように遠くへ行ってしまう。自分から人間に近づくことはしない。
寝るときは基本的に倉庫部屋のあるダンボールにひっそりと身を隠していたし、どんなに抱き上げてもなでても餌をあげても、どんなにゴロゴロずりずりしてきていても、一瞬で姿を消してしまう……
普通はどちらかなのよ。
めちゃくちゃズリズリするか、めちゃくちゃ怖がってそもそも近づかないか。
その両方が混在するシャロに、物凄く違和感を覚えていた。
その結論が、愛情不足、かなぁ、と。
子猫の命を守るための保護活動。それはやはり否定はしない。大切な活動だとは思ってる。野良猫の早期死亡率は相当に高いからね。野良猫のままでいるよりも、飼い猫になったほうが何十倍も幸せだろう、とは思ってる。
しかし、少なくともシャロに限っては、生後2ヶ月で母猫と離れる結果となってしまったのではなかろうか。
ケージを外に置いておいたとはいえ、人間の匂いがついた子猫に母猫は「母親」として世話をしない。
早くに母猫を失い、我が家に来ることで心の支えにしていた兄猫とも別れ、ガタガタと揺れる怖い道を通って連れてこられたのが我が家。
知らない人間が4人、知らない威嚇してくる猫が2匹。
そんなところに放り込まれたシャロは…… そりゃ、人間不信、猫不信…… 人間でいうなら鬱状態にもなるわなぁ……
どんなに信頼しても、どんなに求めても、強制的に離れてしまう……
そんな現実を経験したのなら、今度は簡単には「心の拠り所」を作れないわなぁ……
きっとそんな傷心が、シャロのちぐはぐな行動に繋がってるのかな、と私は思っている。
今のシャロに必要なこと
脚力については家の中を駆け回れば問題ないだろう。
愛情不足については、人間側が辛抱強く、シャロが本当の意味で心を開いてくれるのを待つしかない。
せっかく寒い冬なのだし、一緒の布団に入って寝るとか、温かい食事を一緒に食べるとか、「一緒にいると幸せだね!」って言えるような経験が、シャロにはたくさん必要なんだろうな、と思っている。
幸い、先住猫2匹とは程よい距離を保って生活してる。
リューは近づくと怒るけど、視界に入ることは許しているらしい。猫じゃらしで遊ぶと、2匹一緒に遊んでる。
サンはシャロの匂いを嗅いだりして、コミュニケーションを取っている。今日はいよいよ、シャロの方からサンに頭を擦り寄せていた。
うーさんには、うーさんを心の拠り所にしてもらうべく、夜寝る時は一緒の部屋で寝てもらうようにしている。
最初は布団から出てしまってなかなか一緒には寝てくれなかったようなのだが、少なくとも昨日はずっと布団の中にいて一緒に寝ていたらしい。
子猫だからね。順応が早いね。
それでも、心の傷が「なかったこと」にはならない。
きっと、思わぬところで首をもたげてきて、人間不信やら恐怖心やらが表に出てくることになるんだと思う。
それが消えるには、年単位でかかることなんだろうね。
それでも、全員が仲良く生活して、幸せを感じてくれると嬉しいな。